爆発まで残り5分となりました
「俺、自分が助かりたいからって、
お前のこと突き飛ばして、最初は酷いことばっかりしたけど……。役に立ってないって言ったときも、『皆見てくれてる』って言ってくれて、あんなに悪いことした俺を許してくれたって思うと……めちゃめちゃ嬉しかった」
轍が制服で目元をぬぐった。
そんな風に……皆も、私を見てくれてた、の?……役に、立ってたの?
「アタシも、……っ!折り合いのつかない過去ばっかり話したのに、真剣に聞いてくれた。みんな受け止めてくれた。
だから、夏仍には死んでほしくない!」
朱美も、止まらない涙を必死に拭いながら、そう言った。ほとんど、金切り声だ。
「でも、私……っ、皆に死んでほしく、ないよ……」
「俺もだって。お前とおんなじだよ」
そう言うと、悠真は私の頭に手をのせて、ポンポンと優しく叩いた。
「つーか、恥ずかしいこと言わすなよ。俺は……何ていうか、苦手なんだよ……こういうのは、さ……」
「うわっ、照れてる!悠真ダセー!」
そう言う轍も目が真っ赤だった。