爆発まで残り5分となりました
「お、お前だって泣いてんじゃん!第一、一番泣いてたの霧雨だし」
「な、何でアタシなのよ!!」
そうだったんだ。私、……一人じゃなかったんだ。
顔は涙でぐしょぐしょで、でも、本当に嬉しかった。胸の奥から込み上げてくる気持ちが、ふいに、言葉に出る。
「……っ、ありが、とう」
「夏仍……」
悠真は安心したような目で、私を見ていた。頭に乗っていた手が、そっとのけられる。
「悠真も、朱美も、轍も……ありがとう」
「よしっ!じゃあ、次に行く教室でも決めるか!皆、ちゃんとボード見ろよ!」
「思ってたけど波瀬くんって、意外と字が汚いんだね」
「わ、笑うなよ霧雨……!」
ここまで仲良くなるのには時間がかかったし、まだ私たちは、皆のことを全部知った訳じゃないけど。
皆のことをもっと知りたい。