爆発まで残り5分となりました
「え?」
恐る恐る振り返ってみると、そこには、悠真のサブバックが。
えっ?まさか、悠真……忘れて行ったの?
「ちょっと!ゆ、悠真っ!?」
私は慌ててそれを抱えると、皆に置いていかれないように必死で走った。
「夏仍遅いー、って。あれ?」
美術室前の廊下。
朱美が後ろを振り返って、やっと私に気付いてくれた。
「これ、悠真が忘れるからだよ……」
息を切らしながら言うと、悠真は空気を切るようにして手のひらを顔の前で合わせた。
「あー、わりぃ。気ぃ抜いてて」
「しっかりしろよー、リーダーなのに」
轍が笑い飛ばすと、悠真は「うっせーよ」とそっぽを向いてしまった。