爆発まで残り5分となりました
「それじゃ、入るとするか」
悠真が美術室のドアに手をかけたとき、私はそおっと手をあげた。
「……あ、私、ちょっとお手洗い行きたいんだけど」
「アタシも」と言って、朱美も私のとなりに立った。
我慢してたから……なかなか言えなかったんだよね。たぶん、朱美も……。
「あ、俺もー」
ノリかは分からないけど、何故か轍も。
「じゃあ、俺はここで待ってるから。寄り道はするなよ」
悠真は鞄を地面に下ろして、ふぅっと息を吐いた。
「中で待ってなくていいの?」
と、朱美が聞くと、悠真が言いづらそうに答えた。
「それだと、トイレも教室だし……殺されちまうだろ。道連れになるんだから」
ああ、そっか……連帯責任……だもんね。