爆発まで残り5分となりました
私と朱美と轍は、階段前の廊下にさし掛かっていた。
角を曲がって顔をあげると、そこに広がる光景に、思わず声を失ってしまった。
「あ、……」
恐らく退場を受けたであろう生徒の死骸が、廊下を埋めるようにしてそこにあったのだ。
「夏仍、見ちゃ駄目だよ……」
朱美や轍も、目を瞑っている。
「うわ……ひでぇな、こりゃ」
また、みぞおちの辺りが気持ち悪くなってくるのを感じる。
どうしよう……また、足が震えて。体が動かなくなって、思わず戻しそうになる。
「佐山、大丈夫?来る前に見たときは、まだマシだったし……一階に行こうか?」
轍が背中を擦ってくれて、少しは楽になったけど。……これじゃあ、先が思いやられる。
……皆にも、また、迷惑をかけてしまう。