爆発まで残り5分となりました
「……大、丈夫。早く、行こう」
私が足を引きずるようにして前に出すと、後ろに出していた左手を、轍に掴まれた。
「そういうわけにもいかないだろ。二階じゃ佐山が辛いし……」
二人が早く行きたいなら、私を置いていっても……いいのに。
朱美も、心配そうに私を見ている。
「そうだよ。無理しなくていいから、一階の方に行こ?」
「でも、二人は……」
「連帯責任。二人だけ二階ってのは無しだから。な?」
連帯責任じゃなかったら、良かったのに……。そう、心の中で呟いた。
「ごめんね……二人とも」
私が謝ると、轍と朱美は首を横に振った。
私達は一階に向かって用を済ませると、すぐに二階に帰ってきた。