爆発まで残り5分となりました
美術室に入ると、何とも言えない独特な臭いが鼻を刺した。
「うぅ……っ、アタシ、美術室嫌いだよ」
教室にはいるなり、朱美が鼻をつまんでそう呟いた。
「なんか、まるまる木って感じ。俺は好きだけどなぁ。床も机も木で作られてるし」
悠真がコンコン、と机を叩いている。
創立何年とか、気にしたことはなかったけど、結構古そうな美術室。
とにかく木の臭いがする。
私は嫌い……じゃないけど、別に好きでもないかな。
ど真ん中の机の上に置かれた爆弾に目が行くのは、いつものこと。
窓際の席を移動させて、授業でやっていた班活動のように、席を組み替える。
そしていつものような、お喋り(?)が始まった。
「そういえば、悠真の考えてたもう一つのプランって、何だったの?」