爆発まで残り5分となりました
即座に部屋を飛び出し、玄関まで来ると。
「いってらっしゃい!」
おばさんが雑に手を振り、忙しそうに台所に戻っていった。
卒業式なのになんでこんなに忙しいんだろう。まさか寝坊するなんて!
「───なーつよっ!」
家の前の道路に出たとき、左側からいきなり声がした。
「ひゃっ!?」
「ははっ、なに変な声出してんだよ」
悠真(ゆうま)がそこにいた。悠真は幼馴染みで、保育所からずっと一緒だった。
少し焼けた肌に、ぱっちりとした目が特徴的な、男子。
クラスの中でも目立つ存在──つまり、私のクラスメイト。うーん、まぁ……今日で、クラスメイトではなくなるけど。
「今日で俺らも卒業かぁ」