爆発まで残り5分となりました
「悠真ぁっ!それは言うなぁぁぁッ!!」
轍は悠真を押し倒すような勢いで叫ぶ。
それを聞いてカッとなったのか、朱美が拗ねたように言った。
「二人ともうるさいよ……」
すると轍が、キッと悠真を睨んで、
「……悠真のせいだからな」
と言って、朱美のように拗ねた。
けど、そう言っている轍も、やはり手が震えていた。やっぱり……怖いんだ。
他人事を言っているような私も実際は、少し不安で、怖い。
でも……
「あんなんだけどさ、轍。霧雨の前となると、体張ったり、無理したりする奴だよ。ま、怖がりだけど」
悠真は制服のポケットに手を突っ込んで、微笑しながら轍を見ていた。
「ふふっ、そっか……悠真も優しいけどね」