爆発まで残り5分となりました
「なッ……、ば、馬鹿言うなっ」
悠真が照れてそっぽを向くと、また、笑ってしまった。
──それでも、時間は止まらない……。
カツカツ、という秒針の音と重なるようにして、心臓が鳴っていた。
爆発しないで、よりも、死にたくない、よりも。……今の私には『皆といたい』って。
そんな思いで、胸がいっぱいだった。
教室から出る準備が整って、今にも駆け出しそうな勢いで、構えたとき。
「次、教室って、どこだっけ?」
朱美がそう聞いてきた。
「あ」と、朱美以外の三人の声が重なる。……そういえば。
「考えんの忘れてました……」
悠真の申し訳なさそうな声が聞こえたとたん、「バアアァン!」と、大きめの爆発音が響いた。