爆発まで残り5分となりました
四、太陽の欠点
「……ふぅあぁっ、疲れた……って、え?」
やっと止まったと思ったら、そこは生徒玄関前。
扉を開けて下駄箱前の通路に出ると、そこはまるで別世界のようだった。
無音無臭。凍てつくような寒さが襲う。
廊下とは違って暗く、明かりひとつない、真夜中のような静けさ。
吐く息は白く濁り、すっと、空気にとけていく。……とにかく寒い。
「さ、寒っ……何これ。真冬並みじゃない」
朱美が手で口元を隠して、小さく呟いた。
「んん……なんか、頭痛い」
悠真はおでこに手を当てて、顔を歪める。確かに……頭が少しキーンとする。
ふと、ガラス張りの扉に視線が当たる。
「あれ?……何か貼ってある」