爆発まで残り5分となりました
「……ここって、ずっと気づかなかったけどさ……誰か入ってんの?」
銀色のドアノブには、赤い液体がべっちょりと絡み付いていた。
そう……ずっと気になっていた。
───ここは、放送室。
「確認してみる?……誰か、なかにいるかもしれない」
震える声を出しながら、ドアノブを握ろうとすると、悠真が私の手を掴んだ。
「放送をかけるとしたらここだし……下手したら殺されるぞ……。確実に、いる可能性の方が高いからな」
"いる"
その言葉に、いち早く体を震わせたのは、朱美だった。
やがて、信じられないと言った風に目を泳がせてから、小さく言った。
「主催者……が?」