爆発まで残り5分となりました
ドシャッと、重い音を立てて、悠真の肩からサブバックがずり落ちる。
放送室のマイクのとなりには、こちらを向いている人の頭がある。
シャツは赤く染まり、目元からは乾いた涙の痕が、糸のように頬を伝って。
首からは、麻の紐が垂れ、紫色に変色した口びるの間は、大量の泡で溢れていた。
「……あぁ……ああ、あ……」
今にも崩れそうな体を、朱美に支えられながら、私はぎゅっと目を瞑った。
「……校、長?」
少しだけ、話したことがあった。
『佐山さんは、先生からもいい評価を受けてるんだってね。これからも、お勉強を頑張ってね』
文化祭の片付け……校長先生と、初めて話したことを、まだ覚えてる。
優しい笑顔と持ち前の明るさで、生徒たちからも、人気で。
……なのに、どうして、なの。