爆発まで残り5分となりました
「もう、手遅れだよ……死んでるから」
朱美が言いにくそうに顔を歪めて、呟いた。……嘘、でしょ。
校長先生……死んじゃった、なんて。
私がその場にしゃがみこむと、悠真も思わず振り返った。
「夏仍……大丈夫か?」
胸が苦しくて、息が浅くなる。
「大丈夫だよ」と朱美が何度も声をかけて、背中を擦ってくれた。
「これじゃ、放送室にはいけないし、とりあえずそこの職員室に行こう」
轍が指差した先には、職員室の後方のドア。
一つ深呼吸をして心臓を落ち着かせると、私は頷いて、立ち上がる。
悠真が職員室のドアノブに手をつけ、回した……時だった。
悠真が何かに気付いて、ドアノブから、そっと手を離した。
「え……?」