爆発まで残り5分となりました
「どうせ、主催者には、俺らの気持ちなんて分からないんだ。だから、好き勝手やってるんだよ」
冷たく吐き捨てるような、轍の言葉。
誰も何も言わず、冷たい空気が流れる。
一秒一秒を確実に刻む、秒針の音が、だんだん胃を重たくしていく。
何て言えばいいか分からず、私が落ち込んでいると、悠真が突然声を張り上げた。
「……それでも!俺達がやることに、かわりなんてない!俺達は、このゲームで助かって、生き残るだけだ」
「悠真……」
そう言って体を起こして、胸の前で左手の手のひらに、右手の拳をぶつけた。
「ここで死ぬなんて、主催者に決められたくないぜ」
「……そうだよな、俺はこんなところで死んでる暇はねーんだ。さっさと家にかえって勉強しなきゃいけないからな」
「アタシだって。高校の事、勉強しなきゃいけないもん……」
轍も朱美も、優等生だから……ね。