爆発まで残り5分となりました
「……て!に……からって、が腕を……!!」
嗚咽混じりに聞こえる声が、だんだん遠ざかっていく。
なにを言っていたのかは分からなかったけど、悠真の声もそのあとに続けて、聞こえてきた。
「大丈夫だって!心配するなッ!!」
……
あれから、もう、五分が過ぎた。
「……波瀬くん、遅いよ」
祈るようにして手を合わせる朱美の声は、微かに震えていた。
「悠真……まさか、本当に……帰ってこないんじゃ……」
轍が焦って、早口で話す。
……時間は残り二分を切っている。
悠真が帰ってくるのを待つ以外、私達が出来ることは、なにもない。
仮に、別の教室を見つけたとしても、悠真が入れば、私たちも含めて……。