爆発まで残り5分となりました
何かを言いたげに口をパクパクしている女の子。腕には緑のハチマキが巻かれている。



でも、私のクラスの子じゃないのは確か。




「松崎(まつざき)です!さ、さっきはありがとうございましたっ!」



松崎と名乗る女の子は、ほぼ九十度と言っていいほどに深く頭を下げた。




「あぁ。で、さっきの子は……」



さっき?と、いうと……



武道館にいたときに、悠真と一緒に助けにいった子、のことかな。




「おかげでなんとか助かりました。これは……お礼が言いたくて、その……迷惑をかけたお詫びといってはなんですが……」




なぜか、口調も言葉遣いもガチガチの敬語になっている松崎さん。



「これ」と言って渡してきたのは、一つの封筒だった。



「壁掛けの電話……というのは、皆さん、ご存知ですか?」



「うん」と、悠真が頷いた。
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