爆発まで残り5分となりました
「……けど、あくまで仮定だぞ?これが本当に実現するのかも分からないし……もし、どこかで監視でもされてたら、俺らが死ぬ可能性だってあるんだ」
轍は私を見ながら、眉を八の字にして説得しようとしている。
でも、……私はね、轍。
「だから、私一人で行く。皆に迷惑はかけたくないし……悠真が今まで引っ張ってきてくれた分も、無駄には出来ないから」
私がまた足を進め出すと、三歩ほど歩いたところで、「ギィ」と椅子が動く音がした。
「じゃあ、……俺も行く」
振り返らなくても分かる。……これは、悠真の声。
「……」
「女子は一人にしておけねぇから。……せめて、俺一人でもついてた方がいいだろ」
「佐山に何かあったら、俺らも責任とりかねないし……悠真だけでも、ついていったら駄目なのか?」
轍が、いつも先生の座る机の所から、私に語りかけるように言う。