爆発まで残り5分となりました
教室までの一本道。
血の海と化した廊下は、赤で染まっている。悠真に手を引かれながら、二組の方に向かう。
息を止めて、なるべく濃い血の臭いをかがないようにとはしているけど、やっぱりそれでもキツい。
心配してくれた悠真が、声をかける。
「いけるか?」
「うん……なんとか」
「辛いなら言えよ?無理はさせられねぇし……」
こくり、と頷くと、悠真の握る手に力がこもる。ますます近くなる距離に、心臓が激しく脈を打った。
やっとの思いでドアの前にまで来ると、二人で中の様子を確認する。
まだ私達には気付いていないようで、楽しそうに話しているグループ。
「行くぞ」と小さく耳打ちして、悠真はドアを三回ほどノックした。