爆発まで残り5分となりました
「……信じたいよ。……"あの日"の私がいなかったら……今の私が迷惑をかけることなんて、なかった」
「……あの……日?」
悠真には話してなかったんだ……。悠真は、首をかしげて、目を細めていた。
「佐山、話したくないなら別に、話さなくてもいいんだぞ……?」
「そうだよ……」
腫れ物に触るように、轍と朱美は少し遠慮がちな目をして、言う。
そして、悠真も。
「……俺、別に、夏仍のこと。そんなに知りたいだなんて思ってない。
……夏仍が言いたくないことなら、俺らに聞く権利なんてないんだぞ?」
「ありがとう……でもね、悠真」
佐山夏仍は、もしかしたら……皆が思っているような、善人じゃないかもしれない。
だけど、
だからこそ、なんじゃないかな?