爆発まで残り5分となりました
六、絶対の言葉
桜の花びらが、ピヨピヨと跳ねる前髪に挟まっている。
ふぅっ、ふーっ!
あ、やっと落ちた。
遠くにいるポニーテールの女の子に向かって、私は空気を切るぐらい大きな声で叫ぶ。
「まってーっ!柚希ちゃんっ!」
隣で苦笑いを浮かべるお母さんは、私の頭にポンと黄色の帽子を被せて、笑う。
「行っておいで、夏仍」
桜の雨が降る。
青い空から、パラパラと白い花びらが落ちてくる。
ふんわりとしたお花の匂い。先っぽが、緩くまきまきになっているお母さん。
私は目を輝かせて、笑顔でうなずいた。
「うんっ!」