爆発まで残り5分となりました
「夏仍、おそいーっ」
柚希が私の手をとって、くるくるとその場で回りだした。
子馬のしっぽのような柚希の髪の毛が、ぶんぶんと揺れている。
「だってぇ、お母さんがねぼうしたから、おおいそぎでお家をしゅっぱつしてきたのに」
私がそう言うと、柚希は「もぉ」と言って、回るのをやめた。
「あら、夏仍ちゃん。おばさんは、はやく行ったら夏仍ちゃんに会えるって柚希が言うから、おおいそぎで来たのよ?」
この人は、柚希のお母さん。
私のお母さんと、とっても仲がいい。少し前には、「おちゃかい」とかいうものをするために、私の家に遊びに来たんだ。
「そーなんですか?朝からみんな、おいそがしいんですね」
習ったばかりの単語を使って、敬語とやらを作ってみる。
柚希も私も、今日から小学生なんだ!