爆発まで残り5分となりました
「だってー、お父さんは足はやいから、ずるしちゃうんだもん!」
少しだけ日に焼けた、柚希のお父さんだ。
ドシャッと、真っ赤なランドセルを揺らして、柚希は頬を膨らませる。
なんだか、柚希のほっぺたが、プチトマトみたいに真っ赤だ。
「ずるなんかじゃないぞ!ちゃんと、こうやって鍛えてはやくなったんだ」
柚希のお父さんは、足の筋肉を叩いて見せる。おぇー、ムキムキだぁ。
「ムキムキなお父さんは嫌いぃー」
「なっ!母さんは好きなんだぞ」
「だって、私は柚希だもん。母さんじゃないもーん」
私はクスクスと笑って、二人を指さした。
「喧嘩するほど仲がいいって、私のお母さんが言ってたよぉ」