爆発まで残り5分となりました
「ところで、夏仍ちゃんのお父さんは?」
柚希のお父さんが、私にそう聞いた。
「えっ?」
「今日は来てないの?」
よくぞ聞いてくれた!
私は、ふんと鼻息をならして、柚希のお父さんに話してみせた。
「それはですね。【しゅっちょー】っていうのをしているみたいなんですっ!」
すると、途端に柚希のお父さんは、顔をひきつらせて言った。
「出張、か……ごめんね」
「なんで謝るんですかぁ?
お父さんは、お母さんと私のために、しゅっちょーに行っているんだって、お母さんが言ってました!
お父さんはすっごいひとなんですよ!」