爆発まで残り5分となりました
お父さんは、働き者だから。
しょーがない、しょーがない。だって、私たちのために働いてくれているんだもの。
「あは、は……そうなんだ」
何か悪いことしちゃったのかな?
う~ん……、ま、いっか。
私は柚希の手を引いて、走り出す。
「柚希ちゃん、行こっ!」
「そうだねーっ」
二つの赤のランドセルが揺れる。
桜の花びらに歓迎されながら、新しいスカートのお洋服と、帽子を身にまとって。
お姫様みたいだね、って、近所のおばちゃんが言ってくれた。
本当に、今日は良い日だ!
柚希と私は、くみが一緒になれるかなぁ。
二人は、スキップをしながら、初めて小学校の校門をくぐった。