爆発まで残り5分となりました



「……十一番、さやまなつよちゃん」



「はいっ!」



よぉし。


お母さんが私を見て、カメラを向けながら、嬉しそうに笑っていた。





───────




「はぁぁ、重たぁい……」




ドシャッ、ドシャッ。



足取りは重く、せっかく貰った防犯ブザーは、胸元にあるポケットに入れるはめになる。




入学式だからって、なにもこんなに教科書とかをくれなくても……。




「夏仍は、力持ちだから持てるよね」



隣で、軽そうな鞄を肩にかけたお母さんが、笑う。



「違うー。力持ちなんかじゃないから持ってぇ……つぶれるぅぅ」

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