爆発まで残り5分となりました
シオミさんが何かを言おうとした時、悠真がトンッと、シオミさんの首の後ろを手刀で叩いた。
黒く透き通った瞳が、瞼で隠される。声一つ出さずに、シオミさんは悠真の腕の中に倒れた。
「悠真!?」
「大丈夫だ。ちょっと気絶させただけで、すぐに目が覚めるから」
悠真はシオミさんの体を背中に軽々と乗せて、おんぶして見せる。
その時、少しだけ羨ましいと思ってしまったのは、気のせいだったのか……。
「知ってることは色々聞きたいし。それまでは、俺達と一緒に教室にいてもらう」
「でも、それじゃ……」
さっきみたいにシオミさんを縛るのと、同じような事なんじゃないかな。
「安心しろ。別に拷問して脅すわけじゃねぇし、本人が嫌ならすぐに帰すから」