爆発まで残り5分となりました
「……んん」
少し長めの睫毛が動き、目がゆっくりと開いていく。
悠真はそれを見計らったように、右手に持っていたチョークを下ろして、一人の少女を見た。
やがて、黒真珠のような綺麗な瞳が一瞬にして大きくなると、シオミさんはまた怯えたような表情で私たちを見た。
「……話、聞かせてくれないかな?」
悠真が聞くと、シオミさんは驚いて、何度も首を横に振った。
しばらくすると、逃げようとして、小さく体を動かし始めた。が……何だか様子がおかしい。
「シオミ……?」
真っ青な顔をして、お腹を抱えている。
すると、口からはやっと絞り出せたような、掠れた声が漏れた。