爆発まで残り5分となりました
「来ない……で。そう、じゃなきゃ……。私も、この、学校も……」
そう言って、ポケットから出したハサミを、右手に持つシオミさん。それを自分のお腹───正確には、爆弾に向けて、私たちを睨んだ。
そんな精神状態のあやふやなシオミさんに向けて、悠真がこんなことを言った。
「じゃあ、一つだけ……聞いていい?」
悠真は何をしようとしてるの?
全くその言葉の意図がわからず、混乱する私と轍と、朱美。
「もし、答えてくれたら、もう帰ってもいい。閉じこめたりしない」
シオミさんが、無言で小さく頷くと、悠真はふぅっと息を吐いた。
時計の秒針が、カッカッという音を鳴らしながら、確実に時間を刻んでいく。