爆発まで残り5分となりました
シオミさんは、涙目になってぶるぶると首を降る。否定する。
「なら、良かった」と悠真が言ったのをさかいに、シオミさんの目から、涙が一筋、溢れる。
「悪いのはお前じゃないのに、どうして逃げるんだよ。なにもしてないなら、しっかりと言えばいいじゃん」
悠真はシオミさんの髪をさっと撫でながら、軽く微笑んで見せた。
その言葉が、自分に言っているように聞こえたのは、気のせいだろうか。
「お前はなんも悪くない。なのに、皆にあんなことされて……辛かったよな?」
「……うん……っ」
────『そりゃあ、もちろんよね!もちろん、夏代はお父さんの味方だもんね!あんなクズの子じゃなくて、おばさんの子なんだよね!』