爆発まで残り5分となりました
七時の爆発音と共に、辺りのピリピリとしていた空気が、冷めていった。
朱美も轍も、悠真がドアの向こうに行ってしまったことには、気付いていないようだった。
「悠真、は……?」
泣いている朱美を支えながら、轍が驚いた顔を見せた。
「佐山……悠真はどこに行って……」
その轍の言葉に見向きもせず、私は立ち上がって、ドアノブに手をかけた。
「汐見さん……」
「え……?」
私は冷たいドアノブに力を込めながら、汐見さんに聞いた。
「二人を、お願い……」
返事も聞かないうちに、私はドアを強く押して、駆け出した。