爆発まで残り5分となりました
早くしなきゃ……
目から溢れた涙は、重力に逆らうことなく、真っ直ぐに地面へと落ちていく。
悠真……聞いて。
私は知ったつもりだった。
本当の君の気持ちに、気がついてあげられなかったんだ。
「───夏仍ちゃん!」
後ろから叫んだであろう汐見さんの声が、ギャラリーを反響して大きく響いた。
私の足は一度だけ、止まる。
「待ってるよ!ずっと……ここでっ!」
歯を喰い縛って、涙を堪えた。
──絶対に、もう、逃げたりしない。