爆発まで残り5分となりました
大声を出しすぎて、頭がくらくらした。それでも、何度も叫んで、その度に泣いた。
君はいつか、私の手が届かない場所に行ってしまう。だから、それまでは……
ほんの少しでいい。
少しでいいから、君の隣にいたい。
君に……隣にいてほしい。
廊下の角を曲がって、私がもう一度叫ぼうとした時だった。急に、足が止まった。
───違う、そっちじゃない。
自分じゃない誰かに導かれるようにして、足はゆっくりと、確実に前を進んでいく。
───いけ、夏仍。
そしてまた、背中を押されたように走り出した。気付けばそこはまた、同じ一階の職員玄関前の、廊下だった。
……どうして、ここに。
自分でも分からないまま、足を進めていく。