爆発まで残り5分となりました
砂利を踏みながら、私は技術室に入っていった。
普段は立ち入り禁止になっているから、誰も入らないのだけれど。入ってみると、案外広い。
壊れたハードルや、文化祭ように使ったであろう古い小道具。
隅から隅まで埋め尽くすものは、からの段ボール箱がほとんどだった。
一つだけあった小さい窓から、月の光がこれでもかというほど漏れている。
息を吐くと、少しだけ白く濁った。
ホコリっぽくて独特な臭いが立ち込める部屋の中で、私は一つの影を見つける。
その制服は、暗闇よりも真っ黒で、
彼は、体育座りで膝に顔を埋めている。
いつになっても大きくて、
追いかけてきた背中があった。
「ここに、いたんだね……」