爆発まで残り5分となりました
「最悪だよ……。最初は仲間割ればっかりで、霧雨もしつこくて、煩かった」
「……うん」
最初は弱い自分を隠していた朱美だけど、今では、少し丸くなり、優しくなった。
「お前はしょっちゅう泣き出すし、霧雨はいきなり大人しくなる。おまけに、あの絵の事も教えちまった」
「…………うん」
理科のノート事件。
昔、いつだったか忘れたけど、悠真が見せてくれた絵は、酷かったなぁ。
「勝手にリーダーにしといて、責任押し付けて。かといって上手くいったら、皆でワイワイ騒いで。俺が生きてたら、お前はちゃんと泣いてくれた……」
悠真の肩が、遠くからでも分かるぐらいに震えて、嗚咽が聞こえてくる。
「…………どこが、最悪だったの?」
私が聞くと、悠真は涙で顔を濡らしながら、振り向いて答えた。