爆発まで残り5分となりました
「汐見は……本当は、復讐なんかしたくなかった。……汐見の兄さんは、これが汐見のためになるって、誤解してるんだ……」
汐見さんはきっと、自分の気持ちを素直に伝えられなかったのだろう。
ここまで来るのに、幾度となく復讐を重ね、確信を得ていった。
そして全てを、悠真に打ち明けた。
一度、小さく息を吐く。
「だから、汐見は言った。『今回のゲームで終わらせる。自分の手で兄を殺して、これが最後にするんだ』って」
悠真は、冷静だった。迷いのない瞳で、子供に物語の読み聞かせるような、そんな落ち着きがあった。
それもそうだ。
赤の他人である、汐見さんの兄を殺せば、全てが片付くのだから。
でも、悠真は、
本当にそれを望んでいるのだろうか。