爆発まで残り5分となりました
「……悠真は、優しいよ」



「……」




本当は私と同じ学校の生徒じゃなくて、どこに住んでいたのかも、分からくて。



そんな存在が幼馴染みでも、私はずっと、嬉しかった。





けど、きっと……


悠真が想っている人は、私なんかじゃない。──私なんかじゃ、ないんだ。




分かっていても、どうしても、涙が溢れてくる。拭いきれないほど熱くて、悲しくて、どうしようもない、涙が。





「汐見さんのために、そんなにも頑張ってたんだね。今まで……嘘をついて過ごしてたけど……ずっと、悩んでたんだね……」



「……うっ……」





悠真は私なんかじゃ追い付けないぐらい、近くて、ずっとずっと──遠い存在だった。




「ありがとう、話してくれて。……汐見さんを、皆で助けよう。もう、一人で悩まないで……?」
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