爆発まで残り5分となりました
悠真の口から、嗚咽が漏れる。




黒塗りの空に瞬く星。

月光の雨が、私達を照らす。





ねぇ、悠真……




君の背中は、私じゃ届かないぐらい、ずっと遠くにあって、輝いて見えていた。



君の本当の姿を、私はまだ、何一つ知れていないのかもしれない。






今はただ、その背中を眺めて。

もし、出来たなら、手を繋いで。




悠真がたとえ、記憶のなかにも存在しなくても、私は目を瞑らない。




だって、君が今、
確かに──ここにいるんだから。




「もう、大丈夫だよ」







私が、悠真を、ちゃんと見てるよ。
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