爆発まで残り5分となりました
退場まで、あと三分になった時だった。
悠真が急に立ち上がって、席を離れる。一人で、ドアの方に向かって行った。
うとうとしていた朱美と、爆睡している轍。汐見さんもすぐに立ち上がって、悠真の後を追った。
「……どこか、行くの?」
悠真が振り返ることなく、ドアの前に立ったまま、答えた。
「打ち合わせだよ。……ここからは、汐見の兄さんのこともあるし……皆を巻き込むわけにはいかないから。念のために、ってことで」
「……そっか」
「手紙、書いてたら?三人で」
三人、という言葉に、胸が苦しくなった。
……悠真はいないんだと、決めつけられたようで。自分達は違うんだと、言われたようで。