爆発まで残り5分となりました
「…………うん。そうするよ」
仕方がなく私が答えると、悠真達はドアを開けずに出ていった。
朱美も轍も眠っている。起こすのは悪いし、私だけで書こう。
悠真達を心配することもなかった。まあ、それもそうだ。
彼らが今以上の死を与えられることは、もうないんだから。
掲示物を破って、教壇の上に置いてある鉛筆と消しゴムを取る。
なるべく丁寧に、と書いていたけれど、やっとの思いで書き終わったとき、字がとても汚くなっていることに気付いた。
そして、目からは糸を引くようにして、涙が溢れていたことにも。
……退場が始まっても、悠真達は帰ってこなかった。