爆発まで残り5分となりました
「嫌……だよ……っ」
最後の方は、殴り書きのようになっていた。
ボタボタと大きな涙の粒が、紙の上で弾ける。腕に巻かれたハチマキにも、涙が染みていく。
悠真は、本当に汐見さんが好きなの?
私は嫌だよ、そんなの。ずっと、偽の記憶のなかでも、悠真のことを好きでいた。
そして、今……初めて出逢った今、悠真のことが、こんなにも好きなのに。
破けた制服の上に、顔を押し付ける。
嗚咽を噛み殺して、泣いた。誰もいないのなら、叫んでやりたかった。
少し好きだっただけなら、こんな後悔なんてしなかったはずなのに。
「どうして……好きになんかなったの……っ」
私の馬鹿。……悠真の、バカ。