爆発まで残り5分となりました
そして目の前の席には、真っ白のカッターシャツを身にまとう悠真が、机に伏せていた。
小さな寝息も、聞こえてくる。
悠真がわざわざ、掛けてくれたんだね。
私は席をたって、悠真の背中に学ランを被せると、そのまま汐見さんの所に向かった。
「星、きれい……」
汐見さんが息で窓を曇らせて、言った。
一つ席を挟んだ隣で、私も空を見た。
少し前に見た時とは、何も変わっていないように見えた。
静かな教室。星が今にも、「きらきら」と音をたてそうなぐらい、輝いている。
「悠真くん、ね。ちょっと前までは無口だったんだよ」
「え……?」
悠真が……無口?