爆発まで残り5分となりました
時刻は、八時三十分。
雲が風に流される、静寂の夜。
薄明かるい月の光だけが、どこにも流されることなく、教室に差し込んでいた。
窓ガラスが割れそうになるほど大きな爆発音を聞いて、悠真が顔をあげた。
しばらく半開きの目で前を見て大きな欠伸をすると、ぼさっと呟く。
「…………あ……、今の音……何?」
「へ?」
「何か……音、しなかった?」
目を擦りながら、誰に言っているのかも分からない変な質問をする悠真。
もしかして……寝ぼけてる?