爆発まで残り5分となりました
悠真が顔を歪めて、目を瞑った。
首の辺りに手を当てている。前に見かけた痣があった辺りだ。
「大丈夫?」
「ああ……ちょっと痛くて。何か胸騒ぎがする……前と同じ感覚なんだよ」
「前?」と聞き返したそのとき。汐見さんが「あ」と口を開けて固まった。
その視線の先には、───
「お兄ちゃん……」
汐見さんがその影に向かってそう言ったのが、ちゃんと聞こえた。
痩せた体に血のついたシャツ。黒いズボンに真っ赤に染まった靴下。
そこには、──汐見颯斗がいた。