爆発まで残り5分となりました
「夏仍!開いたぞ!!」
悠真の声が耳元で聞こえて、私は詰まっていた息を吐き出した。
教壇の上には、二枚の賞状。
「佐山 夏仍」「波瀬 悠真」
どちらの賞状にも、大きく【卒業証書】という文字が書かれていた。
「これを持って、行かなきゃ──!」
悠真は左手に。私は右手に賞状を持って、私達は走り出した。
「……校門を出るまでが、か。確かに、俺の時もそんなこと言われた気がするな」
走っている途中、悠真がぽつりとそんなことを呟いた。
そして、明らかにゲームを始めた時とは違う、黒く濁った壁を越え───