爆発まで残り5分となりました
数分ほど歩いて、住宅街に出たところで、また小さな会話が始まった。
「……悠真は都会に住んでたの?」
「ん?いや、どっちかっつーと田舎かな」
「へぇえ。じゃあ、好きな教科は?」
「数学と、社会。国語とかはまるっきり駄目だったなあ」
全ての質問が、過去形になってしまう。
まあ、それもそうだ。これをしたいとか、あれをああしたいとか、悠真には"望み"が存在しない。
それっきり、会話は続かなくなった。
住宅街を歩いているうちに、知らないところまで来てしまっていた。
今いる道がどこなのかも、全く見覚えがない。もしかして、迷ったのだろうか。
「……あれ?ここ……は」