爆発まで残り5分となりました
「なぁ……、もうすぐここを出るんだろ?」
私は小さく頷いた。
爆発まで、もうあと一分と言ったところだろう。……あと一分で、死ぬかもしれないけれど。
でも、さっきから冷たい空気が変わらない。完全に喧嘩状態。
「悠真、大丈夫?顔色悪いよ」
少しだけ、悠真が辛そうな顔をしている気がした。私が声をかけると、ぶつぶつと何かを呟いていたけど。
「さっきの話の続き、聞かせてもらおうじゃない」
霧雨さんのその言葉で、悠真の表情は一変する。
カツカツと秒針が動く度に、胃が重くなるように感じた。
困惑した様子で、二人を交互に見たり私を見たり。どうしてこうなったのかが分からず、おどおどした表情を見せる轍。
「二人とも、話は次の教室でしようよ。……もう、時間がないから」