年下でもいいですか?
パラパラとみんなが帰宅しだした頃に、ようやく今日の仕事が一段落したので
顔を上げて目頭を揉む。

「どうぞ」と濡れタオルを渡されそちらを見ると彼女だった。
タオルは程よい温かさで、疲れた目を優しく包み込んでくれているようだった。

「ありがとう。まだ帰らないの?」

「タオルを渡してからと思いまして。」

「何か悪かったね。いつもありがとうしか言えてないし、本来なら自分でする事なのに。」

「気にしないでください。私が勝手にやっていることなので。」

「じゃぁ、お言葉に甘えて。
………今度、飲みに誘っても良いかな?
あ、も…勿論他の人も一緒でも構わないんだけど。」

何だか語尾が下がってるような気が…
て言うか俺誘っちゃったよ?

「大勢は苦手なので…」

勇気を出して言ってみる。

「ふ…二人だけでも良いですか?」

「…はい」

やった!
やったぞ俺!!!
でも一応まだ会社だし、上司だしここはきっちりとしとかなきゃ。

今日が水曜日だから
「今週の金曜日とか急すぎるかな?」

「大丈夫です。」


「じゃぁ、金曜で。時間7時位でも良い?」

「あの、会社からじゃちょっと…」

「あ、だよね。駅は?同じ駅だよね?」

「はい。じゃぁ改札口の所で待ってていいですか?」

「分かった。今日はありがとう。」

「ではお疲れ様でした。」

「お疲れ様。」

彼女が去っていくのを見て、さりげにガッツポーズ。
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