紅葉が降ったら
ガラッ
「あっ、秋穂!おきゃーり~♪ねーっ、どうだったぁ??」
教室に入るなり、親友の東野安香梨(とうのあかり)がちゃかすように言う。
「…どうって何が?」
冷やかされるのが嫌でわざととぼけるあたし。だけど安香梨はそんなに甘くない。
「またとぼけちゃってぇ♪告られたんでしょお?武内先輩に!何て返事したのさっ」
観念したあたしは、ハア…と溜息をついて言った。
「断ったよ。もちろん。」
「…っはあぁ…やっぱりねー。勿体ない…。」
安香梨は呆れた顔をして、おでこに手を当てて、ヤレヤレと首を振った。