紅葉が降ったら



「大体、何で秋穂はモテるのに誰とも付き合わないの?このままじゃあっという間に青春終わっちゃうよ?」



「…だって、好きな人とかいないし…」



「告ってくる人と付き合っちゃえばいーのに!付き合ったら好きになるかもよ?」



「でももし好きになれなかった時、相手の人に失礼だよ」



「だーかーらあーっ…!……もういいやぁ」



そこまで言って諦めるのかよ。


別にいいけど。



「安香梨、次の教科何?」


もう何も言われないように話題を逸らすあたし。



「んーっとねえ…げっ、生物だよ。田中の授業うっさいんだよねー。」



「生物か…。じゃああたしサボるわ。」



あたしの言葉に「えっ」と驚く安香梨。



「秋穂がサボるなんて珍しいね。どしたの?」



「うん、何となくね。今日、天気いーから。」

そう言って窓の外を見るあたし。



「ふーん。あたしは単位ヤバイし仕方ないから受けるわ。メールするねー。」



「うん。頑張って。」




適当に返事をし、カバンを持って、外に出た。




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